学生が簿記3級を受ける4つのメリットと2つの注意点

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簿記に興味がある。受けるとしたら、一番易しい簿記3級にしようと思っているけど、簿記3級を勉強するとどんなメリットがあるんだろう・・・。具体的に知りたいです。教えて下さい。

こんな悩みにお答えします。

この記事を読むと分かること
  • 学生が簿記3級を受けるメリット4つ
  • 勉強する上での注意点2つ
  • 受験するまでもないが、簿記を学びたい人向けの本

簿記3級 学生が受ける5つのメリットと2つの注意点

日商簿記3級

簿記ってどんな資格?

そもそも簿記とは

簿記は、会社のお金の流れを、決まった形式に沿って記録するものです。例えば、商品の仕入れや販売、建物の賃貸・購入、借金の返済、飲食を伴う接待などによって出入りしたお金を記録します。これによって「お金がどこに行ったか分からなくなる」という事態を防いでいます。

簿記を学ぶとは、この「決まった形式に沿って、収入と支出を管理できるようにすること」を指します。独りよがりの記録ではなく、誰が見ても客観的にお金の使いみちを把握できる。これが目標です。

ただ、

  • 簿記の技能を評価する指標がない
  • 簿記の全てを一気に把握するのは困難

こんな問題を解決するために、日商簿記検定(1~3級)があります。英検であれば「2級だったらこれくらい英語が読めるよな」、「3級ならこれさえ勉強すればOK」とはっきり分かります。そして日商簿記でも同様です。その人の技能を客観的に判断する指標を与えてくれています。

簿記によって記録・整理された情報は、決算書を作るためにも利用されています。決算書は会社がどれだけ儲けたか、銀行に今どれくらい預金があるかなどを見るための成績表みたいなものです。企業を評価するために用いられます。

簿記3級とは

簿記3級は簿記入門にあたります。日商簿記(1~3級)で最も易しいです。

  • 年3回(2、6、11月)/税込2850円
  • 筆記試験120分
  • 受験者は年30万人程度(合格率40~50%)

難しい会計処理が少なく、基礎知識が多めです。このため、初心者でも挫折しにくい資格と言えます。

簿記3級のレベルについて、日商簿記検定を運営する日本商工会議所によれば、

業種・職種にかかわらずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格。

基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。

商工会議所の検定試験 簿記3級 URL:https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping/class3

以上のように書かれています。

簡単に要約すれば、企業会計の仕組みがおおよそ理解できていれば良いらしいです。

2級は工業簿記、連結会計・本支店会計も扱います。レベルが急に上がって合格率は20%程度です。また1級は、更にレベルが上がって合格率は10%程度になりますが、税理士試験の受験資格の一つになっています。

簿記って必要?

かつては紙の帳簿に記録していました。しかし、現代ではほとんどの会社が会計ソフトを利用しています。簡単な例を挙げると、レジでピッとスキャンしたら、手書きしなくても売れた商品・ジャンルと価格を記入してくれます。このため、経理担当でもない学生からしてみれば「簿記3級、いらないのでは」と思うかも。

しかし今のところ、絶対いらないとも言い切れません。

そこでこの記事では、簿記3級を学ぶメリットを5つ紹介します。

4つのメリット

「会計は自分の得意分野か」が分かる

会計が自分に合っている分野かどうか分かり、今後の進路の参考になります。

先述のように、簿記3級は入門レベルにあたります。会計の基礎的なルールと知識を確認する段階です。数学で言えば、公式と例題を解き続けるみたいな感じです。応用問題としての簿記試験があります。

簿記をやってみて「意外と面白い」と思えるなら、会計が自分の強みかもしれません。そこで、会計・金融に関する資格を他にも受けてみる、商業高校や商学部を受けてみるなど、自分の強みを生かした人生設計ができます。

一方で「よく分からない」「全く面白さを感じられない」のであれば、会計分野は自分には向いていないかも、と気づくきっかけになります。

大学の推薦入試(AO)に活かせる

試験会場のイラスト いらすとや

一部の大学では、自己推薦入試(AO入試)の出願資格に含まれていることがあります。高校生までに簿記3級を取得しておけば、受験のときに選択肢が広がるかもしれません。

例えば、早稲田大学社会科学部では、出願資格を得るのに4要件を満たす必要がありますが、

高等学校または中等教育学校後期課程在籍期間の活動において(中略)資格(語学検定や財務・会計資格など)を有する者。

早稲田大学社会科学部 受験生の方へ 入試情報 URL:https://www.waseda.jp/fsss/sss/applicants/admission/

このように規定されています。つまり、会計資格としての簿記3級は1要件として認められます。

ビジネス書や日経新聞が読みやすくなる

日本経済新聞
日本経済新聞 URL:https://www.nikkei.com/

ビジネス書や日経新聞が読みやすくなります。

簿記を学ぶと、必然的に「その会計用語が何を指しているか」を学ぶことになります。例えば、売掛金や繰延税金資産はよく出てくる用語ですが、一見、何を言っているのかよく分かりません。

とりわけビジネス書や日経新聞、四季報では、こうした会計用語が登場しがちです。もし簿記を学んでいれば、言葉の意味をいちいち調べる必要はありません。スラスラ読めるようになり、理解が進みます。

こうした本や新聞は、将来、資産形成やビジネスをする上で必要になる場合があります。簿記を学んでおけば、いざ読むときに抵抗感をあまり感じなくて済みます。

ちなみに、こうしたちょっと難しめの文章が読めれば、簿記の学習にも役立ちます。相乗効果が生まれて良いです。

株式投資に役立つ

簿記3級でも、決算書はあらかた読めるようになります。決算書を読んで企業のビジネスモデル(その企業がいつどこで儲けているか・収益力はあるかなど)が分かるようになれば、株を吟味しやすくなったり、探しやすくなったりします。このため、株式投資に役立つと思われます。

「老後2000万円問題」が示すように、労働以外(株式投資など)でも資産を増やすことがますます重要になってきています。簿記をかじっていれば、投資を始めるとき、有利に働くかもしれません。

三井不動産21年3月期3Q決算短信
三井不動産の有価証券報告書:21年3月期 第3四半期決算短信 URL:https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/ir/presentation/pdf/tanshin210205.pdf

多くの上場企業では、企業公式ホームページのIR情報に財務諸表がアップロードされています。

企業分析が楽になるので、就職活動で会社選びに役立ちます。株をやらない人でもメリットになりそうです。

2つの注意点

簿記3級は、就職で有利になるわけではない

簿記3級は、受ければ半分くらいの人が受かるので、頑張れば誰でも取れる資格と言えそうです。また、簿記3級レベルでは、高度な知識を持っている・運用できるというわけでもありません。

このため、「就職活動のために簿記3級」は弱いです。もし、就職活動のための簿記なら、3級をとった上で、少なくとも2級を取る必要があります。

簿記の勉強は時間がかかる

簿記3級の学習にはかなりの時間がかかります。一般的に70~100時間程度と言われています。

のんびりやっていると勉強が終わりません。部活やインターンなど、他にやりたいことがある方は注意しましょう。

ただ、学生は時間がとれるので、社会人に比べれば勉強しやすいです。もし興味があって勉強時間が取れそうなら、試しにやってみるのはアリです。

簿記3級に興味があるが、受けるか迷っている方へ

迷っている理由を言語化してみました。

以下の4つのうち、いずれかに当てはまるのではないでしょうか。

  1. 資格の勉強は、いつも途中で飽きてしまう
  2. 見たところ、けっこう難しそう・自分は受からなそう
  3. 他にもやりたいことがあって、あまり時間がとれない
  4. 簿記取得にあまりメリットを感じない

上記の4つのうち、1と2に当てはまった方は、簿記を小さく始めてみるのがおすすめです。小さく始めるとは、とりあえず入門テキストを1冊買って、暇なときに読んでみるという意味です。

簿記3級は、想像よりも難しくありません。また、初心者向けに分かりやすい解説やイラストが付いたテキストも多数発売されています。「マンガで学ぶ歴史」のように、意外と飽きないと思うかもしれません。

さらに、簿記3級のテキストは一冊1,000円程度と比較的安価です。

もし「やっぱやーめた」みたいなことになっても、小さく始めれば損失は小さくて済みます。むしろ、簿記は自分に向いていないと分かっただけ、経験値になるのではないでしょうか。

おすすめテキストと勉強方法は、以下の記事を参考にしてみてください。

【簿記3級独学】損しない2冊のおすすめテキストと受かった勉強法

一方で、3と4に当てはまった方は、簿記を始めても、勉強がおろそかになってしまうかもしれません。しかし、せっかく簿記に興味を持ったのに諦めてしまうのはもったいないです。

そこでおすすめしたいのは、

この本を買って少しずつ読むことです。

タイトルの「財務3表」とは、損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書(C/S)のことです。どれも簿記の記録をもとに作成されるもので、企業の状態を知るためによく使われる、重要な書類です。

この本は簿記の学習内容をしっかりと踏まえつつ、決算書の読み方を解説していきます。初心者でも分かるように図や例えを多用しています。一通り読むだけで、会計用語も簿記も決算書も、どんなものなのか把握できます。

内容が細かく分かれているので、スキマ時間でも読めます。また、ポケットに入るくらい小さくて軽いので、かばんに入れて持ち運びやすいです。

1冊1,000円もしません。簿記の参考書を買うよりも安い点も、手軽に読みたい方にはぴったりです。

ちなみに筆者も読みました。

財務3表一体理解法
財務3表一体理解法

おわりに

学生が簿記3級を受けるメリットと注意点を紹介しました。

個人的に、簿記3級の学習はメリットが大きいと思います。勉強しておいてきっと損はしません。

学生は社会人に比べて、勉強にあてられる時間がたっぷりあります。簿記に興味があるなら、学生のうちに経験してみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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